ドローンは、農業・点検・防災など幅広い分野で活用が広がっています。しかし、導入には機体や講習費など、まとまった費用が必要です。そこで役立つのが補助金制度です。そこで本記事では、ドローン導入に使える代表的な補助金の種類や対象となる分野、支援される主な経費についてご紹介します。
ドローン導入に活用できる主な補助金一覧
ドローンを使った業務は、点検・測量・撮影・物流など多くの分野で広がっています。しかし、導入したいと思っても、機体購入費や講習費、ソフトウェアの利用料など、初期費用が気になる方も多いことでしょう。そこで活用したいのが各種補助金です。ここでは、ドローン導入に役立つ代表的な補助金と、その特徴やおすすめできる事業者について紹介します。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、比較的少ない資金でドローンを導入したい小規模事業者に向いている制度です。上限は200万円で、経費の2/3まで支援されます。主な用途として、軽量ドローンの購入、点検や測量に使うためのソフトウェア導入、空撮による集客強化などがあります。また、業務の効率化や販路開拓にも活用できるため、初めてドローンを使ってみたい事業者にもぴったりの内容です。
事業再構築補助金
次に事業再構築補助金です。最大8,000万円と規模の大きい補助金で、補助率は1/2〜2/3と高めに設定されています。ドローン事業を新しく立ち上げたい企業や経営の立て直しを目的に新分野へ踏み出したい中小企業におすすめです。たとえば、ドローンスクールの開校、空撮サービスの立ち上げ、新しい測量・点検サービスの展開、映像制作事業の開始など、事業全体の大きな転換を後押ししてくれます。広い用途に対応しているため、本格的にドローンを軸とした事業を育てたい企業と相性が良い補助金です。
人材開発支援助成金
続いて、人材開発支援助成金があります。これはドローン機材の購入ではなく、従業員のスキルアップを目的とした制度です。上限は50万円ほどで、補助率は2割〜6割となっています。社員がドローンの国家資格(無人航空機技能証明)を取得したり、ドローンスクールに通ったりする際の受講費を支援してくれます。
社内にドローン操縦ができる人材を育てたい企業や安全な飛行を重視したい組織に向いている制度です。ドローン運用の体制づくりを進めたい場合にとても役立ちます。
ものづくり補助金
最後に紹介するのはものづくり補助金です。補助上限は1,250万円未満で補助率は2/3となっています。新しいドローンの開発や製造ラインの改善、関連機材の導入など、技術を使った生産性向上に取り組む中小企業が主に対象となります。既存の作業をより正確に、より効率的にしたい企業に適しており、ドローンを組み合わせた新しいサービスの開発にも活用しやすい補助金です。
新技術を取り入れながら業務改善を進めたい企業に向いています。
補助金の対象となるドローン導入分野
ドローンの利用は年々広がっており、国や自治体の補助金でも多くの分野が対象になっています。ここでは、とくに導入が進んでいる代表的な分野を紹介します。農業分野:スマート農業の実現に向けたドローン活用
農業では、作業の人手不足や効率化のためにドローンの導入が進んでいます。とくに農薬や肥料の自動散布は、広い農地でも短時間で均一に作業できるため、多くの生産者が注目しています。手作業に比べて体の負担が軽くなる点も大きなメリットです。また、カメラやセンサーを使って作物の生育状況を上空から確認する取り組みも増えています。
病害虫の発生状況を早く見つけたり、生育のムラを把握したりすることで、より精度の高い農業が可能になります。農林水産省や自治体では、こうしたスマート農業の後押しを目的に補助金を設けているところが多く、生産性向上や省力化を目指す農家に適した制度が充実しています。
インフラ点検・建設分野:危険作業を安全に、効率的に
インフラ点検の現場では、橋梁やダム、トンネルなどの高所や狭い場所の点検にドローンが活用されています。従来は足場を組んだり、専門業者が危険な場所に立ち入って点検したりする必要がありましたが、ドローンを使うことで安全性が大きく向上しました。さらに、3D測量や地形データの取得にもドローンが活躍し、建設現場の進捗管理や施工計画に役立てられています。空撮データをもとに作成される高精度の地形モデルは、現場管理の精度を高めるうえで欠かせません。
国土交通省や自治体では、インフラ維持管理の効率化や災害リスクの軽減につながる取り組みに対して補助金を設けており、点検作業のデジタル化を進めたい企業に向いています。
防災・災害対応分野:迅速な情報収集で被害の把握に貢献
防災分野でもドローンの活用は広がっています。大雨や地震などの災害発生時には、被害状況を短時間で把握することが求められるため、上空から撮影できるドローンは非常に有効です。また、赤外線カメラを搭載した機体は、夜間や煙の多い状況でも人の熱を検知できるため、行方不明者の捜索活動にも使われています。離れた場所からでも状況を確認できるため、捜索隊の安全確保にもつながります。
防災力を高めたい自治体や企業を対象に、災害対策を目的としたドローン導入を支援する補助金が用意されることも多く、地域の安全確保に向けた取り組みとして注目されているのです。
補助金の主な支援内容と対象経費
ドローン導入に活用できる補助金は、機体の購入だけでなく、運用に必要な費用まで幅広く支援される場合があります。ここでは、対象となりやすい支援内容や経費について整理して紹介します。ドローン本体から周辺機器まで幅広く支援される費用
補助金でもっとも多く利用されるのがドローン本体の購入費です。産業用ドローンは高額になりやすく、負担軽減を目的に補助対象に含まれることが一般的です。さらに、ドローンを安全に運用するために必要なバッテリー、送信機、充電器、プロペラといった周辺機器の費用も補助対象となる場合があります。とくに、農薬散布や測量など特定の用途に合わせたオプション機器は高価になることが多いため、補助金で支援されると導入しやすくなります。
また、飛行ルート管理やデータ解析に必要なソフトウェア費用も対象になることがあります。高精度の測量データを処理するツールや農作物の状態を分析するアプリケーションなど、用途に応じたシステム導入がしやすくなる点は大きなメリットです。
人材育成の費用もカバーされる補助金がある
ドローン運用では、整備や操縦の知識をもった人材が欠かせません。そのため、一部の補助金では従業員の研修費や講習費も支援の対象になっています。たとえば、ドローンの国家資格取得に必要なスクール受講費、各種技能講習の受講料、外部講師による研修費などが挙げられます。社内でドローンを扱える人材を育てたい企業にとって、費用負担を抑えつつ体制を整えられるため、とくに活用されやすい分野です。
さらに、導入後の運用に欠かせない安全管理マニュアルの整備費や飛行ルールの策定費が対象に含まれることもあり、全体的な運用体制を整えるのにも役立ちます。
補助率や上限額は制度ごとに大きく異なる
補助金の支援規模は制度によって幅がありますが、多くの場合は補助率が1/2〜2/3程度に設定されています。つまり、導入費の半分~3分の2までを補助金でまかなえる仕組みです。上限額については、十数万円から利用できる小規模事業者向けの補助金もあれば、事業再構築補助金のように数千万円規模まで支援されるものまであります。本格的にドローン事業を立ち上げたい企業、少額で始めたい事業者など、目的に合わせて選べる点が特徴です。
申請時に注意したいポイント
補助金を利用する際は、いくつかの注意点があります。まず重要なのは、交付決定前に購入した機器は補助対象外になるという点です。急いでドローンを購入すると、全額自己負担になることがあるため、事前の確認が欠かせません。
また、日常業務でも使える一般的なパソコンや消耗品、他用途でも使える汎用機材などは対象外となるケースが多いです。必要な項目が含まれているか、事前にしっかり確認することが大切です。
さらに、補助金を利用した場合は、導入後に実績報告書の提出が必要です。購入証明書や納品写真、ドローンを使った業務内容の報告など、決められた書類を期限までに提出する義務があります。